社労士資格と相性のいい資格として、メンタルヘルスマネジメント検定があります。
パワハラやセクハラ、マタハラ、そして、企業における精神障害の発生など企業の労務管理において、従業員のメンタルヘルスを健全に維持することは非常に重要となっています。
そんな状況下で必要な知識を学べるメンタルヘルスマネジメント検定は顧問先へのアドバイスの際に有効となります。
この記事では、このメンタルヘルスマネジメント検定、その中でも一番の難易度を誇るⅠ種の試験についてご紹介していきたいと思います。
メンタルヘルスマネジメント検定とは
メンタルヘルスマネジメント検定とは大阪商工会議所が主催している資格試験で、
働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくもの
となります。
メンタルヘルスマネジメント検定には、一般社員レベルのⅢ種、管理職レベルのⅡ種、人事労務管理スタッフ、経営幹部レベルのⅠ種の3種類があります。
試験内容 | 試験回数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
Ⅰ種 | 選択問題・論述問題 | 年1回 | 21.3% |
Ⅱ種 | 選択問題 | 年2回 | 56.5% |
Ⅲ種 | 選択問題 | 年2回 | 86.4% |
人事スタッフレベルであるⅠ種は、選択問題だけでなく論述問題もあるため、合格率はⅡ種・Ⅲ種と比べ、合格率も低くなっています。
ですが、社労士として顧問先にアドバイスする場合や人事スタッフとして自社のメンタルヘルスケアの体制を構築するにあたってはこのⅠ種レベルの知識が要求されてきます。
メンタルヘルスマネジメント検定の難易度
メンタルヘルスマネジメント検定はⅠ種で合格率約20%ほどで、論述問題もありますが、社労士といった難関資格と比べるとかなり難易度は下がります。
Ⅰ種で必要とされる勉強時間はおよそ120時間と言われています。
人気資格である宅建でおよそ500時間と言われていますのでそれよりは簡単であると考えてもらって構いません。
1日2時間勉強すれば、2か月あれば合格することが十分に可能です。
自分の場合も、社労士の試験を8月末に受けて、そこからメンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種の勉強を始め、11月の試験で無事合格することができました。
勉強時間はおよそ200時間ほどで、点数もある程度余裕をもってとることができ無事合格しました。
テキストの内容はパワハラ、セクハラ、健康経営等の実務に直結した内容が多く、その他産業医の役割といった社労士試験の内容と重なる部分も多く社労士受験生・合格者には勉強しやすい内容となっています。
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種の勉強法
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種の勉強をする上で重要なのが、テキストを丸覚えすることです。
これで選択式・論述式のどちらも対策することができます。
テキストは公式のものが販売されており、そのテキストに記載されている内容しか出題されません。
そのため、テキストの内容さえ頭に入っていれば、十分に合格することができます。
具体的な勉強方法としては、やはり、過去問を解くことが重要となります。
基本的に過去問と似たような内容の問題が出題されますので、過去問の内容を覚えてしまうくらい勉強をすると合格率が上がります。
選択式においては、過去問を解いているとこういう数字が問われるんだなということがわかってきますので、過去問を解いた後、テキストを熟読する際、出題されそうなポイントがおのずとわかってきます。
その段階になったら、テキストに出題されそうな箇所を書き込み、過去問と合わせ覚えていけば十分合格点まで達することができます。
論述式に関しても、基本的には選択式対策と同様、過去問を解きます。
特に選択ではない論述式の試験に慣れていない人は文章を書いて答えるということが慣れていないので、過去問を解き、問われていることに文章で回答するという形式に慣れる必要があります。
過去問を解き、文章を書く練習をしたら、あとはテキストの重要キーワードを覚えていきます。
例えば、パワハラの行為類型6つやポジティブヘルスの意義、イネイブラーの定義といった項目の定義などをキーワード化して覚えていくと実際の論述試験でもキーワードをもとに文章を書いていくことができます。
Ⅰ種のテキストはおよそ400ページほどですので、これを覚えるには短期決戦がいいと思います。
社労士受験生であれば、11月ごろまで結果発表を待たなくてはならないので9月から2か月間ほど間が空きます。
この時間を利用して短期に詰め込みの勉強法で丸暗記するのが合格への近道となります。
おすすめテキスト
メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト I種 マスターコース〔第5版〕
メンタルヘルスマネジメント検定は公式のテキストをやるだけで十分です。
むしろそこから出題されるので市販のテキストは買う必要はないです。
カラーであったり、図解があったりといった読みやすさは低めですが、この試験を受けようとする層の人からすれば内容は非常に興味深いものとなっていますので、難なく読み通せると思います。
ただ、このテキストは高いです。4500円くらいします。内容は試験合格後でも使用する知識ばかりなので試験のためだけのものではありませんが、それでも高いです。大阪商工会議所の資格ビジネスの香りがプンプンしますが、そこは必要な投資と思って購入しましょう。
ちなみに何年かごとに更新されますので最新のものを購入します。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験 I種マスターコース 過去問題集
テキストのほかに必要なのが過去問集です。
いろいろ販売されていますが、この過去問で十分です。
こちらは毎年更新されますので、最新のものを購入しましょう。
そして、お金と時間に余裕がある場合は最新でない過去のものも購入するとベターです。
なぜなら論述式の問題がより多く解けるからです。論述においても過去に出題された内容や傾向は踏襲されるのでより多くの過去問を解きおぼえるのが合格への近道です。
ですので、メルカリやブックオフなどで中古品が購入できるのであれば購入しておきたいところです。
ちなみに選択式は最新の過去問集を解くだけで十分です。
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種はこのテキストと過去問の2種類あれば合格することができます。
おまけ:合格証
ちなみにメンタルヘルスマネジメント検定はⅠ種であろうとⅡ種であろうとⅢ種であろうと同じような合格証がもらえます。
これがまあしょぼい笑
よくあるお店のポイントカードのような薄いカードの合格証しかもらえません。
まあ年会費があるわけでもなく、この資格のみで就職できるというレベルではないので致し方ないと思いますが、もうちょっとしっかりしたせめてクレジットカードぐらいの耐久度を持ったカードにしてほしかったです。
まとめ
メンタルヘルスマネジメント検定はこれからの社会において非常に有用な資格であり、特に社労士や人事労務系の仕事をされている方と親和性が高いです。
難関資格というわけでもないので、気軽に受験してみてほしいと思います。
仮に落ちてもそこで得た知識は一生ものですので受験する価値は十二分にあります。
これから受験を検討されている方は参考にしていたければ幸いです。